1. Home
  2. Producer
  3. Winery
  4. VallDolina
スペイン
スペイン カタルーニャ

バルドリーナ

VallDolina

わずか11ヘクタールの畑で育まれる自然派ワイン

700年に亘る歴史を持つ山間のエステイト

ワイナリーは、ペネデスD.O.の上級地区アルト・ペネデスのなかでも、特にブドウ栽培家憧れの地と言われるオレサ・デ・ボネスバル村にあります。基礎となったカン・トゥトゥサス エステイトと周囲の森は長らく打ち捨てられていましたが、古くは1349年の記録にも見られる歴史あるエステイトです。松やオークの木々、灌木、エニシダ、フェンネルやローズマリーなど地中海の植物に溢れた環境は、自然を尊重したワイン造りには最適のテロワールです。

現在のワイナリーは1988年、家業を継ぐことを期待されていたジョアン・バデル氏により設立されました。1999年には息子のライモン・バデル・イ・ロゼス氏が加わり、有機栽培やビオデナミを本格的に取り入れることで進化を遂げていきます。以降ワイナリーの運営はこの若い醸造家に委ねられました。山間の11ヘクタールというわずかな自社畑で、自然を尊重したワイン造りを実践しています。

エステイト入口 エステイト入口

畑をこよなく愛する情熱家

フェラン・ジル・イ・ガルシア氏は「畑に住んでいるような」醸造家です。現在のワイナリーを設立した父ジョアン・バデル氏の仕事ぶりは「ひたすら畑を愛し、他はただ一生懸命働いて成功を祈るだけ」というものでした。そんな父の背を見て育ち、父親譲りの情熱と畑への愛情を受け継いだライモンは、学校教育を終えるとすぐに夢を叶えるためのステップとして世界の様々なワイン産地へ渡り修業を積みました。こうした経験から、「ワイン造りにおいて主役はブドウ」だということを誰よりもよく知っており、常に畑に深くに関わることを強く意識しています。そして故郷に戻り自分のワイン造りを始めた時、「畑や周囲の土地の特徴(テロワール)を大切にしながら、ブドウを一番大切にしよう」と決心しました。ワインはテロワール固有の特徴だけでなく、造り手が込めた愛情や手間によっても完成すると考えているからです。自分にも他人にも厳しく、繊細な感覚の持ち主です。

オーナー兼醸造家ライモン・バデル・イ・ロセス氏 オーナー兼醸造家ライモン・バデル・イ・ロセス氏

隙間をみつけて作る小さな区画

地形上、必然的に広い土地を見つけることは不可能になります。山間になんとか隙間をみつけて畑を作っているような状態で、ブドウ栽培は小さな小さな区画で行なわれています。こうした条件の下では収量は大変低くなってしまいますが、ブドウの凝縮感は比類ないものとなります。

畑はむき出しの自然の中に

この地域は長い歳月をかけて土地の浸食により形成された渓谷が広がっています。
自然のままのゴツゴツ岩だらけの地形が特徴的で、土壌は粘土石灰質が一般的です。有機物質が極端に乏しく、石灰質の岩の上にさまざまな粘土性の成分が広がっています。この石灰岩の岩はまた、浸透性が高く水分を保つ力に優れています。

畑の様子 畑の様子

有機栽培を実践し自然を尊重

本格的に有機栽培を実践するようになったのは、現在のオーナーで息子のライモン・バデル・イ・ロセス氏がワイナリーに参加した1999年のことです。そしてこれを機にブドウ栽培における合理化が進み、多くの改善がみられました。正しいメソッドに則った有機栽培を実践するようになったことでワインの品質にも多大な変化がおきることを目の当たりにし、畑での仕事がいかに重要であるかを改めて認識することとなりました。こうして慣習的な畑作業から有機栽培へと、そしてビオディナミへと意識を広げて行くことになります。畑は全て合わせてもわずか11ヘクタールと非常に小規模ですが、バルドリーナのワインは確実に“テロワールワイン”へと進化しました。

自然と共存するブドウ畑 自然と共存するブドウ畑

小さなセラーで全て手造り!

2006年に友人のフェラン・ジル・イ・ガルシア氏がワイナリーに参加してから誕生したカバ。バルドリーナのような小さなワイナリーでは複雑なカバ造りの工程も全てが手作りです。ワインを造るのも、セラーに運び入れて熟成させるのも、ルミアージュ(動瓶)やデゴルジュマンまで小さな部屋のような施設の中で全て手作業で行っています(さすがに大変な時はワインの移動などを友人に頼むそうです)。まさに情熱と愛情が込められた手作りのワインといえるでしょう。(※ガルシア氏は2015年より他の産地に移りました)

デゴルジュマンと門出のリキュール デゴルジュマンと門出のリキュール