今年のノヴェッロ解禁日はいつ?輸入元が教える2017年の現地情報
2018年版をリリースしました
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2017年の『ノヴェッロ』情報!
こんにちは!輸入元でイタリアワインの仕入に携わっている田中です。今年もまたイタリア、ノヴェッロの生育状況をお伝えできる時期になりました!ブドウがワインになって、日本に届くまでの間のレポートを何度かに分けてお伝えしていきますのでよろしくお願いします。
ヴィーノ・ノヴェッロとは?
イタリアの各地で、その年に収穫されたブドウを使って造られる新酒のことです!フランスでは「ヌーヴォ」と呼ばれています。ボージョレ産が有名ですね!熟成を経ない新酒は果実味豊かでとても新鮮な味わい、飲みやすい口当たりのワインです。日本には航空便で届き、秋の解禁と同時に楽しむことができます。※船便も12月頃日本に入ってきます。
2017年の解禁日
ノヴェッロの解禁日は毎年10月30日。今年は月曜日ですね。フランスのボージョレ・ヌーヴォは11月16日(木)の解禁日ですので、ノヴェッロなら一足先に新酒を楽しめますね♪
ボージョレ・ヌーヴォの解禁は午前零時ちょうどなのに、ノヴェッロの解禁は零時1分と定められています。 なぜでしょうか? ノヴェッロを記載するには、イタリアワイン協会(UIV)に申請が必要になるのですが、この申請の期限が10月30日になるまでと定められたからです。 解禁が10月30日午前零時ちょうどだと、申請期限と重なってしまうため、01分としているそうです。 「解禁パーティー」でカウントダウンをする場合は注意してくださいね。正確な解禁は、 10月30日 0:01 です。お間違いないように。
現在のように10月30日解禁となったのは2012年から。それまでは11月6日と決まっていました。 変更された理由はイタリアの担当行政局(いわゆる農林水産省のようなところ)がそれまでのノヴェッロと新DOP、IGPのワイン法を一律にして単純化したためです。2012年8月13日に新法律が発効されました。
モトックスが扱っているのはこの2本!
カステッリ・デル・グレヴェペーザ
イタリア中部トスカーナ州のワイナリー。特産のサンジョベーゼ種100%で造られます。
コンティ・ゼッカ
プーリア州のワイナリー。南イタリアらしく2種類のブドウを使います。
コンティ・ゼッカのあるレヴェラーノでは毎年、『NOVELLO IN FESTA』と呼ばれる新酒祭りが村の中心で開催されています。昨年が19回目の開催となり、近隣の町や村からも約5万人の人が祭りに訪れます。期間は3日間で、レヴェラーノで新酒を造っている4ワイナリーがブースを出し、1杯1ユーロ(!!)でノヴェッロを楽しむことができます。ライブが演奏される中、ソーセージやグリルしたお肉、揚げパン、地元で食べられるパスタのオレキエッテなどをノヴェッロと一緒に楽しむことができます。ワイナリーでは、出来立てのノヴェッロを購入することもできるそうです。
作柄情報① 7/31
トスカーナ州【カステッリ・デル・グレヴェペーザ】
現時点での展望ですが、2017年ヴィンテージは4月の霜のダメージで例年より収量が少なくなりそうです。 2017年3月は例年より少しだけ気温が高い良好な天候でした。4月に入ると気温が急に下がり、場所によってはマイナス6℃まで冷え込んだため、川沿いの畑では一部の新芽が霜のダメージを受けました。大変残念なことでしたが、ポジティブに考えるとワインの品質に影響が大きくなる花が開いてから、もしくは実ができてからのダメージでなくて良かったと思います。
グレヴェペーザでも一部被害を受けましたが、幸運にもそこまでの被害にはなりませんでした。5月、6月は例年より気温が高く良好な天候の初夏。とてもいいタイミングで雨が降り、干ばつによるダメージはありません。サンジョヴェーゼは例年より生育が早く、すでに房の形がはっきり出来上がっており、健康的に育っています。
7月初旬は雨が少なく、気温は高めでした。最初の10日間でブドウの一部に色づきが始まっています。 これからの夏の状態にもよりますが、今のところブドウの実だけでなく葉っぱも美しい状態でしっかり発育しており、色合いも鮮やかです。※輸出担当:パオロ氏
プーリア州【コンティ・ゼッカ】
これまでの天候を見ると今年のブドウのクオリティは格別に素晴らしいものになると予想しています。今ヴィンテージの冬の特徴は例年より気温が低く、かなり寒い冬でした。1月初旬にはワイナリーのあるエリアでは非常に珍しいことですが大雪も降りました。2月もかなり寒く雨も降りましたが、土壌の深部にしっかりと水分を蓄えられる恵みの雨となりました。3月から6月までは例年通りの穏やかな天候が続き、6月末から7月上旬も好天が続きました。気温も30度以上まで上がり春以来まとまった降雨がなかったため夜間灌漑を行いました。現在も良好な天候が続いています。
次回は8月末ごろ、ブドウの生育情報をお届けしたいと思います♪
作柄情報② 8/25
トスカーナ州【カステッリ・デル・グレヴェペーザ】
7月末から8月にかけて、まれにみる熱波がやってきました。日中の最高気温が40度まで上がり、夜になっても25度までしか下がらない事もしばしばでした。この熱波によりブドウの色付きが早まり、素晴らしい収穫ができるのではと期待しています。現在全てのブドウ品種の色付きが完了しつつあります。熱波に加えて雨がほとんど降っていない影響で、畑の場所によっては若木のブドウに水分不足がでていますが、一方で乾燥によるブドウの病疫や害虫などはほとんどなく健全な状態です。この後収穫までの数週間が最も重要な時期ですから気は抜けません。収穫量は春の霜の被害と7、8月の少雨のため、昨年より少なくなりそうです。
グレヴェペーザのノヴェッロは彼らが造る最高品質のキアンティ・クラッシコ『グラン・セレッツィオーネ』に使うブドウを一部ブレンドする贅沢仕様です!写真はグレヴェペーザのメンバーであるソッチさん親子。
プーリア州【コンティ・ゼッカ】
8月21日現在、素晴らしい天気が続いています。5月に降雨があったものの、それ以来降雨はありませんが夜間に灌漑を施しているため干ばつの影響はありません。気温は例年並みかそれ以上に暑く、日中は30-33度、夜間は20度程になります。コンティ・ゼッカのあるエリアは平地で太陽の照り返しも強いですがアドリア海から北西の風が吹き、乾燥しているためブドウの生育には好条件をもたらしてくれています。好天気のおかげでブドウの生育は大変健全。病害などのトラブルは一切ありません。現在プリミティーヴォとネグロアマーロの色の差は少なく、両方ともブルーがかった黒色をしています。一般的にプリミティーヴォ(写真左/上)の果実は房の方が小さめで丸い形、ネグロアマーロ(右/下)はプリミティーヴォより果実が楕円で房も大きくなりますが、今年は両方とも小ぶりで際立った違いはみられません。黒ブドウで最初に完熟すのはプリミティーヴォ。もう収穫を始める予定です。ネグロアマーロはワイナリーで育てているブドウの中で最後に収穫するブドウで通常は9月半ば頃ですが、今年はおそらく9月初旬になるのではと考えています。結実が少なく収穫量はかなり減ると予測していますが、このまま順調にいけば2017年ヴィンテージは熟成に適したワインが造れる素晴らしいヴィンテージです。

次回は9月中旬!収穫の様子をお届けしたいと思います!
作柄情報③ 9/15
トスカーナ州【カステッリ・デル・グレヴェペーザ】
9月に入り長く待ち望んでいた雨が降りました!ブドウの樹々が、実が、元気を回復していよいよ完熟の段階に至ることとなりました。ノヴェッロ用のサンジョヴェーゼは平均的に気温が高めの区画で質の良い房を選びながら収穫を始めていますが、大部分の収穫は来週になる予定です。春の霜で芽の一部がダメになったり、8月の乾燥続きにより実のサイズが小さくなったりで収穫量こそ少なくなりますが、ブドウの質がとても良いことに安堵しています。ノヴェッロ2017年の特徴は驚くほどブドウの健康状態が良い、ということです。ラボの検査では9/15現在でブドウの糖度は例年の9月末から10月初旬のレベルに達しています。これからできるワインは素晴らしい出来になるであろうと考えています。
プーリア州【コンティ・ゼッカ】
プリミティーヴォの収穫を8/23、ネグロアマーロの収穫は9/4から始めました。8月末から9月初旬まで素晴らしい天気が続き、最高の条件で無事に収穫作業を終えることができました。例年ネグロアマーロの収穫は9月中旬ですが、今年は10日程早めました。ノヴェッロ用の畑は約10ha、手摘みと機械収穫の両方を使い分けています。手摘みは日中の暑さを避けるため早朝6時前にスタートし、正午には終了します。30人程の作業員が4-5日かけて収穫しますが、毎年同じ熟練した作業員が収穫を行っているので完熟したブドウのみを選ぶことができます。摘んだブドウは潰れないようにプラスティックのカゴに約4kgずつ分けて入れられて、醸造所に迅速に運ばれます。

2017年ヴィンテージは結実の量が少なかったため量こそ約半分となりましたが、収穫できたブドウはとてもよく、ノヴェッロも素晴らしい出来上がりになると確信しています。
2017年 解禁直前情報 10/23
トスカーナ州【カステッリ・デル・グレヴェペーザ】
醸造担当者からコメントが届きました!
『2017年のノヴェッロは紫がかった鮮やかなルビー色、様々な花や果実を思わせる力強いアロマ、まろやかでビロードのような舌ざわりの極めてエレガントなワインとなりました。特徴としてはとても柔らかい味わいになったことです。この柔らかさはノヴェッロのようなタイプのワインではどちらかいというと難しいことですが、今年は醗酵の過程が大変うまくいったことでこのような味わいとなりました。完璧なマロラクティック醗酵をおこなうことができた事が功を奏しました。』
(写真右)醸造担当:ステファノ・モゼル氏 (左)醸造スタッフ:エリザ・バルディ氏
プーリア州【コンティ・ゼッカ】
こちらも醸造担当者からコメントが届いています!
『2017年のノヴェッロはビビッドで紫色のハイライトをもつ大変濃いルビーレッド。アロマは大変華やかで心地よく、黒スグリ、ラズベリー等、フレッシュな果実の香りが印象的です。口に含むと心地よくフレッシュで、果実味に溢れています。完熟したブドウ由来のビロードのようなソフトなタンニンも感じることができます。余韻には若々しい果実味と酸味を感じられます。今年もフレッシュでリッチな果実味、そして程よい酸味が特徴のコンティ・ゼッカの新酒が出来上がりました!日本の旬の食材とも良くマッチすると思います。ぜひイタリアのノヴェッロを日本の秋の食卓でもお楽しみください!』
醸造担当:アントニオ・ロマーノ氏
コンティ・ゼッカからは現地でのおすすめメニューも送っていただけました。
『CARNE ALLA GRIGLIA』豚肉、子羊、ソーセージなどの炭火焼き、ジャガイモ、ナスやズッキーニのグリル、ルッコラ添え
『FAVE E CICORIE(ファーヴェ・エ・チコリエ)』乾燥そら豆のピューレとチコリアのソテー、クルトン添え
『POLPETTE, CROCCHETTE, PITTULE(ポルペッテ、クロケッテ、ピットゥレ)』ミートボール、ジャガイモのコロッケ、パン生地を揚げた地元のおやつ!
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