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美食の地バスクのワイン、「チャコリ」を楽しむ

美食の地バスクのワイン、「チャコリ」を楽しむ

 

爽やかな酸に飾り立てないシンプルな果実味、ぷちぷちと気持ちが良い微発泡。
私が初めて飲んだ「チャコリ」は、フレッシュで食欲を誘う味わいがなんとも心地よく、出会ってから長らく、初夏から晩夏にかけて軽めの食事とともに楽しみ、気温が徐々に下がってきたら今年のチャコリはおしまい、そう思っていました。

今年のお盆を過ぎたあたり、季節が急に進んでしまったのかと思うほど気温の低い日が続いたときがありました。コクのあるものが食べたくなって、生クリームを加えたソースをかけた鮭とキノコのソテーにチャコリのロゼを合わせたところそれは見事に合い、フレッシュで飲みやすいワインで終わらせてしまっていたチャコリは、実は、いろいろな料理を引き受けてくれる懐の深さがあるワインなのではないかと思い始めたのです。

 

 

 

チャコリってどんなワイン?

チャコリは、ピレネー山脈の西側、スペイン北東部とフランス南西部の国境を挟んで広がるバスク地方で造られる、フレッシュで爽やかな酸が特徴のワインです。険しい山岳地帯と美しい海岸線で成り立つバスク地方は、ヨーロッパのどの言語の影響も受けていない独自の言語と文化を持ち、バルセロナやマドリードとはまったく違うスペインを魅せてくれます。

 

スペイン北東部とフランス南西部の国境を挟んで広がるバスク地方

 

生産量が多いこともあり、一般的にチャコリと言えば白ワインをイメージしますが、赤とロゼも造られています。さらに、フレッシュさを楽しむために炭酸ガスを残して瓶詰めした微発泡タイプと、発泡していないスティルタイプがあります。

チャコリの主要品種は、白ブドウの「オンダラビ・スリ」と黒ブドウの「オンダラビ・ベルツァ」。ビスケー湾から吹く海風の影響を受ける大西洋気候で、降雨量も湿気も多く、ブドウの木の仕立て方は日本の甲州種と同じ棚仕立てです。成人男性の頭上の高さほどにブドウが実り、手を上げながらの収穫はなかなか大変な作業だそうです。

ブドウが植えられているエリアから少し北上すると、ブドウではなくリンゴが植えられ、リンゴのお酒「シードラ(シードルのスペインでの呼び名。フランス産のものはシードルと呼ばれる。)」の産地に変わるそうで、そのことからもチャコリの産地は気温が低いエリアであることが分かります。チャコリとして広く知られている微発泡のフレッシュタイプの場合、10月末~11月に収穫されたブドウが、その年の12月~翌年の1月にはワインとなってワイナリーからリリースされます。アルコール度数が低く、フレッシュで爽やかな風味を収穫から1年ぐらいまでの状態で楽しむのが一般的です。

 

チャコリの主要品種は、白ブドウの「オンダラビ・スリ」と黒ブドウの「オンダラビ・ベルツァ」

 

 

 

チャコリの3つの産地(D.O.)

1つ目は、ヨーロッパの王侯貴族が訪れる高級避暑地として人気になり、「美食の街」として世界中から注目を集めるサン・セバスチャンの近くにある「チャコリ・デ・ゲタリア」。栽培されるブドウのほとんどが白ブドウのオンダラビ・スリで、スッキリとした酸味と青りんごのような爽やかな果実味があり、魚介類との相性が特に良いタイプです。

話が少し逸れますが、サン・セバスチャンと言えば、スペインにあるミシュラン三つ星レストラン7店のうち3店がこの街にあることで有名です。なぜ、人口18万人ほどの小さな街にこれほど多くの星付きレストランがあるのでしょうか。

1970年代にフランスで大流行したのが、従来のフランス料理とは一線を画す 「ヌーヴェル・キュイジーヌ」というスタイル。この動きに衝撃を受けたバスク出身の若手シェフたちは、このスタイルを地元に持ち帰り、自分たちの新しい料理に挑戦します。レシピは門外不出というフランス料理界の暗黙のルールには背を向け、レシピを共有し、新しい技法を皆で研究することで、個人だけでなく、街のレストラン全体のレベルの底上げを図ったそうです。そしてこの地は、山・川・海と、自然に恵まれた食材の宝庫。漁業、農業などの一次産業は質の高い生産を続け、料理を支える食材は基本的に地元で調達されます。美食の街は、地産地消の最大化と料理技術をオープンに広く伝え合うことによって成り立っているのです。サン・セバスチャンが美食の街として有名になったことで、農家のワイン、自家製ワインとして地元で消費されていたチャコリも、料理に引っ張られるように世界のワイン市場で知られるようになっていったそうです。

 

サン・セバスチャンが美食の街

 

産地に話を戻し、2つ目の産地です。山間部に位置し、チャコリの産地の中で唯一海に面していない内陸にあるのが「チャコリ・デ・アラバ」。沿岸部に比べて降雨量が少なくなるので、アルコール度数が少し高い、コクのあるタイプに仕上がります。

最後は、バスク最大の都市であるビルバオの近くにあるのが「チャコリ・デ・ビスカヤ」。こちらは、チャコリ・デ・ゲタリアとチャコリ・デ・アラバのちょうど中間のタイプです。

 

 

 

「エスカンシア」とは?

「エスカンシア」は、チャコリを高いところからグラスに流し落とすように注いで、鋭い酸味を和らげ、ワインの香りと果実味を開かせるための注ぎ方です。ものすごく高い位置から注ぐ必要はなく20cmくらいからで十分。 グラス近くから注ぎはじめ、徐々にボトルを上に持ちあげていくのがコツだそうです。テーブルにこぼれるのが心配なので、私はグラスからグラスにワインを移すことを数回繰り返すだけですが、それでも効果を感じます。

気軽に楽しむフレッシュなスタイルのチャコリだけでなく、最近では、樽を効かせたコクのあるタイプも出てきましたので、ワインショップや飲食店の店員さんにエスカンシアをしたほうが良いか、尋ねてみるのもよさそうです。

 

「エスカンシア」は、チャコリを高いところからグラスに流し落とすように注いで、鋭い酸味を和らげ、ワインの香りと果実味を開かせるための注ぎ方です

 

 

 

チャコリと合わせたい料理

サン・セバスチャンは、ミシュラン三ツ星レストランだけでなくバルも有名で、バルでは質の高いおいしいピンチョスやタパスを手軽に楽しむことができるそうです。ピンチョスは、生ハムやオリーブなど様々な食材をひと口で手軽に食べられるように串や楊枝に刺したもので、タパスはおつまみを小皿に盛りつけたものです。

 

ピンチョスは、生ハムやオリーブなど様々な食材をひと口で手軽に食べられるように串や楊枝に刺したもので、タパスはおつまみを小皿に盛りつけたもの

 

海の食材との相性がよいチャコリ。特に、ミネラル感がしっかりあって塩味を感じるゲタリアのチャコリは、シーフードを使ったピンチョスとの相性が抜群です。そして、バルの定番タパスの一つ、トルティージャバスク(ジャガイモのオムレツ)にチャコリを合わせれば、チャコリの酸が淡泊な料理の輪郭をはっきりとさせ、多めの油で焼き上げるトルティージャの油分をさっぱりさせてくれます。

レシピに決まりはなく、食材を自由に組み合わせるピンチョスは、家飲みのおつまみとして気軽に楽しめますが、おしゃれなピンチョスだけでは物足りない我が家。家庭でチャコリを気軽に楽しむならどんな料理が良いか、一般的なチャコリの特徴であるシーフードとの相性の良さ、高めの酸、アルコールが低い、この3つをヒントに相性が良い料理を探してみました。

ワインの酸は、お料理と合わせると様々な形で呼応します。料理とワインの酸味同士が調和したり、揚げ油やクリームやバターの油脂分をすっきりとさせてくれたり。アルコールが低いワインは、スパイスの辛みを必要以上に強くすることなく、料理にそっと寄り添い、引き立ててくれます。

まずは、酢飯の上にいろいろな魚介類をのせた海鮮ちらし寿司。チャコリの控えめな果実味とミネラル感は魚介類とのなじみが良く、アルコールが低いので、ワサビの刺激を強めることもなくちょうど良い。お砂糖控えめのすっきりしたすし酢であればさらに良く合います。

次は、チャコリの塩っぽいミネラル感に合わせて、ナンプラーを使った海老と野菜の塩焼きそば。海老とチャコリの相性はとても良く、炒め油の油分をチャコリの酸がすっきりと流してくれるので、次の一口が進んでしまうなかなか良い組み合わせです。ナンプラーとの相性が良かったので、次は、グリーンカレーと合わせたいと思っています。きっと、唐辛子の辛みが増すことなく、辛みの奥に隠れている鶏肉や野菜の風味を引っ張り出してくれるのではないでしょうか。

毎年4月から6月に入荷するチャコリを春夏ワインで終わらせず、夏が終わるころにもう一度買い足して秋冬も楽しむ。ストックが無くなったら、次のヴィンテージの入荷を楽しみに待つ。そんな風に楽しみたいワインです。

 

 

 

 

おすすめのチャコリをご紹介いたします。

チャコリ・レサバル アリ

ゲタリアの伝統である「若さ」「フレッシュさ」「果実味」「繊細な泡」の4つ要素を表現したチャコリ。サン・セバスチャンにあるミシュラン星付き店でも採用されています。フレッシュさだけでなく、石の多い土壌に由来するミネラル感が印象的です。

 

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チャコリ・レサバル ロゼ

同じ生産者が造る微発泡タイプのチャコリ・ロゼ。スタッフが火鍋に合わせたところ、料理に負けることなくとても良いペアリングが楽しめたそうです。梅のような赤果実の風味も感じられ、力強い料理とも楽しんでいただきたいチャコリです。

 

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Profile: Noriko KOBAYASHI

2005年入社。普段の生活の中で、おいしいワインと旬のものを合わせて楽しむのが好き。

 

 

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