モトックスが提案する、ワインのあるライフスタイル「もっと!ワイン」

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ワインラベルの野鳥たち ~ウィマーラ~

ワインラベルの野鳥たち ~ウィマーラ~

私は幼い頃から動物が好きで、動物園の飼育員になりたいと思っていた。そこからどういう訳か縁あってワインの世界に身を置いているが、ラベルに動物が描かれているワインを見つけるとつい手に取ってしまう。

ひときわ心惹かれるのが野鳥をモチーフにしたラベル。まず、鳥は飛べることが素晴らしい。自由に大空を羽ばたく姿は永遠の憧れだ。美しい羽や鳴き声で目と耳を楽しませてくれ、季節を告げてくれるものもいる。私は中でも特に、小鳥が好きだ。ちょこちょこと動く姿や丸っこいフォルムが愛らしい。

 

人間に一番近い野生動物は「鳥」

わざわざ山や森に行かなくても市街地や住宅地、公園、田畑などでもたくさんの野鳥はそばにいて、すぐに会える。スズメは身近な野鳥の代表格。最近は鳥好きの中でかわいいスズメの姿を観察して楽しむ「チュン活」なるものが人気だそうだ。

かわいいスズメの姿を観察して楽しむ「チュン活」
かわいいスズメの姿を観察して楽しむ「チュン活」
かわいいスズメの姿を観察して楽しむ「チュン活」
(提供元:ちゅん太 さん)

たまには外出したときに、空を見上げてみてはどうだろうか。ぜひイヤホンを取って少し耳を澄ませてみて欲しい。それまで何気なく見ていた視界から鳥の姿が浮かび上がり、単なる生活音から鳥のさえずりが聴こえてくるだろう。身近に新しい世界が広がるかもしれない。

 

ローガン「ウィマーラ」のラベルがとにかくかわいい!

野鳥ラベルの中でも私のお気に入りの一つは、オーストラリアの生産者ローガン・ワインズが造る「ウィマーラ」シリーズだ。

オーストラリアの生産者ローガン・ワインズが造る「ウィマーラ」シリーズ

標高500~1000mに位置するオーストラリアを代表する冷涼な産地、ニュー・サウス・ウェールズ州の「オレンジ」地区と「マジー」地区のブドウを使用したワインで、「ウィマーラ=Weemala」とは先住民アボリジナルの言葉で“絶景”を意味する。その絶景の畑に姿を見せる野鳥たちが描かれている。

ニュー・サウス・ウェールズ州の「オレンジ」地区と「マジー」地区

 

おすすめ2アイテム、2種類の野鳥たち

ぜひ実物の野鳥を見てみたいところだが、残念ながら日本には生息していないので、よく似た鳥で日本でも見ることのできるものも紹介したい。

 

ウィマーラ ピノ・グリ 2020 = ハイムネメジロ(メジロ科) Silvereye

ウィマーラ ピノ・グリ 2020
ハイムネメジロ
(出典:AKK Nature Watch

日本のメジロに比べて肩から腹にかけて灰色がかっている。Silvereyeという名前は目の周りのアイリングの色から付けられているが、英語ではシルバー、日本語では白、と表現に違いがあるのが興味深い。

日本のメジロは全国の平野から山地や森林、市街地の公園や緑地に広く生息する。メジロといえば春。サクラやツバキ、ウメなどの花の蜜を吸うために群れでやってくる。桜の開花のニュースの映像などで見たことがある人も多いのではないだろうか。

美しい黄緑色、モフモフな白いお腹、チューチュル、チチルチと高い声でさえずるのも愛らしい。

ハイムネメジロ
(出典:日本の野鳥識別図鑑)

肝心のワインは・・・というと、わずかにピンク色を帯びた透明感のある淡いレモン色。香り・味わいともにシャキッと若々しく爽やかな柑橘のニュアンスの奥にほんのりジューシーな甘味があり、ルビーグレープフルーツを想わせる。酸味やミネラルがしっかりと感じられるが、味わうほどに丸みも感じられる。キリっとした凛々しさとふんわりとした優しさを併せ持つ。鳥好きならではの妄想としてお許しいただきたいのだが、自然の中で生きる野鳥の快活さと見た目のキュートさが表現されているようにすら思われる。

 

ウィマーラ シラーズ/ヴィオニエ 2018= フタイロヒタキ(ヒタキ科) Restless Flycatcher

ウィマーラ シラーズ/ヴィオニエ 2018
フタイロヒタキ
(出典:AUSTRALIAN MUSEUM

樹木がまばらに生えている林や森、農園でよく見られ、空中でホバリングしながら昆虫を捕食する。非常に活動的で機敏に動き回るため「Restless=休み知らず」の名前がついている。

日本ではノビタキ、ジョウビタキ、キビタキ、ルリビタキなどヒタキの名前が付く鳥が多い。実際は分類上ヒタキ科ではないのだが、一番見かけることが多く、おすすめなのがジョウビタキ。秋・冬に日本へ渡来し、庭木の多い住宅地や公園、河川敷、畑など身近に見ることができる。

オスは頭頂部が灰色で、顔は黒・お腹のオレンジが美しく、背中に白のワンポイント。メスはオスに比べると色合いが地味だが、一回り小さくどこか品があってこちらもかわいい。秋・冬に見られるので、ぜひ探していただきたい。

こちらのワインはというと、やや赤みを帯びた紫色。ラズベリーやザクロを思わせる赤果実とハーブや草原を思わせる爽やかな香り。飲み口は軽やかだが口に含むとしっかりとタンニンがあり、飲みごたえ十分。新鮮な赤果実と同時に完熟ブドウの味わいがバランス良く、自然とグラスが進む。2018年ヴィンテージなのにまだまだ新鮮さを感じられたのには驚いた。天気の良い日に、少し冷やしめにして緑を感じられる開放的な空間で楽しみたい1本。

ジョウビタキオス
ジョウビタキオス(出典:日本の野鳥識別図鑑
ジョウビタキメス
ジョウビタキメス(出典:日本の野鳥識別図鑑

 

大規模な森林火災を乗り超えて

ダイナミックな自然とユニークな生態系でお馴染みのオーストラリアだが、2019年末から2020年頭にかけて大規模な森林火災に見舞われ、甚大な被害が出た。記憶に新しい方も多いと思う。ローガン・ワインズがあるニュー・サウス・ウェールズ州でも被害は大きく、様々な産業に影響が出た。

大規模な森林火災を乗り超えて

ワインに関しては、火災がブドウの収穫前に起こったため2020年の収穫がほとんどできなくなった。ブドウ畑自体は燃えなかったが、周囲が燃えることにより灰や煙が畑に入り込み、できあがったわずかなワインにもスモークテイントという焦げ臭が付いてしまった。

2020年の収穫が全てダメになってしまい、オーナー醸造家のローガン氏は一度は諦めかけたが、周りからの応援を受け、被害に遭っていない他の地域のブドウを購入し、全アイテムではなかったがどうにかウィマーラシリーズのリリースに漕ぎつけた。

オーストラリアに根付く助け合いの精神、そしてローガン氏を支えた仲間たちの力が結集して生まれた2020ヴィンテージのワインは、見事にローガンらしい豊かな果実味と繊細さや骨格を保ち、飲む人を楽しませてくれる。

ローガン氏
ウィマーラのワイン

元の状態に戻るまでにはまだまだ時間がかかるだろう。あの野鳥たちは元気だろうか。畑に戻ってきただろうか。野鳥を含めた全てのオーストラリアの自然に思いを馳せながらウィマーラのワインを味わいたい。そして、同時にローガン氏をはじめ、オーストラリアのワインに携わる人たちにエールを送りたい

 

 

ご紹介したワイン「ウィマーラ」はこちら


 

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「ローガン・ワインズ」のワイナリー情報はこちら。

ローガン・ワインズ

ワイナリー紹介「ローガン・ワインズ」

ローガン・ワインズは、オーストラリアを代表する冷涼な産地、標高500-1000mに位置するニュー・サウス・ウェールズ州の「オレンジ」地区、「マジー」地区で1997年よりワイン造りを行う醸造所です
ローガンが産み出すワインは正に「現代オーストラリアの象徴」ともいえる味わいで、オーストラリアで新しいトレンドとなっているクールクライメイト(冷涼な気候下で生産されるワイン)のワインの代表格となっています。

 

Profile: まんだりーな

自然や伝統文化が好き。夢は世界自然遺産や文化遺産を巡る旅をすること。
職人に対する憧れが強く、醸造家や杜氏にキュンキュンしがち。

 

 

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