1. Home
  2. Column
  3. シャンパンとスパークリングワインの違いは?造り方や規定を解説
ワインのキホン

シャンパンとスパークリングワインの違いは?造り方や規定を解説

シャンパンとスパークリングワインの違いは?造り方や規定を解説

あなたは「シャンパン」と「スパークリングワイン」の違いを説明できますか?わかっているようで、いざ尋ねられると、「・・・」なんて方も多いのではないでしょうか。
そんな疑問を解決するために、今回はシャンパンとスパークリングワインの違いについて解説いたします。

スパークリングワインとは

「スパークリングワイン」とは、一言でいうと、発泡性をもったワインの総称です。一般的には3気圧以上の炭酸ガスを含んだワインを指します。

シュワシュワしているワイン=「スパークリングワイン」と覚えてもらってOKです♪スパークリングワインは産地や造り方でいろんな呼び方が存在しますが、それは後程解説します。

シャンパンとは

次にシャンパンについて。「シャンパン」とは、フランス北部のシャンパーニュ地方で造られ、フランスのワインの法律(A.O.C法:原産地呼称管理法)で定められた規定をクリアして造られたスパークリングワインをいいます。
A.O.Cについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

あわせて読みたい:「A.O.C.」ってなに??

「シャンパン」もスパークリングワインに含まれますが、きびしい規定をクリアしたシャンパーニュ地方の特別なスパークリングワインだけがシャンパンと呼ばれるのです。

シャンパンと名乗るための規定

では、シャンパンを名乗るための厳しい規定についてお話します。規定については、

・産地
・ブドウの種類
・醸造方法  
・アルコール度数
・熟成期間

などがあります。基礎知識としてはこれを覚えておけばバッチリですが、さらに興味がある方は読み進めてください。

産地

先ほども記載した通りフランスの北部にあるシャンパーニュ地方で造られることが条件です。歴史的にシャンパーニュ地方は緯度が高く冷涼であるためブドウ造りに厳しい気候条件でした。

しかし、大西洋気候と大陸性気候という二つの気候の影響で年間を通じて気温が低く、季節による温度変化が少なかったことから降水量が安定し、ブドウの品質を確保していました。その結果スパークリングワインの生産に適した質が高く酸味の強いブドウを収穫でき、シャンパンは名高い銘産品となっていきました。近年では温暖化の影響でブドウの酸が低下する傾向が見受けられ、シャンパンらしさを守るために栽培方法に工夫が求められるようになってきています。

(クリスチャン・ブルモー)

参考:シャンパーニュ地方のワイナリー紹介

ブドウの種類

シャンパンに使われるブドウはピノ・ノワール(黒ブドウ)、ムニエ(黒ブドウ)、シャルドネ(白ブドウ)の3種類が大半、この3種類をブレンドしてシャンパンは造られます。ワインでよく聞くピノ・ノワールやシャルドネはブドウの種類だったんですね。

製造方法

スパークリングワインの製造方法は5つありますが、中でも瓶内二次醗酵方式(シャンパン方式)と呼ばれる方法で製造されなければ、シャンパンとは名乗れません。
瓶内二次醗酵方式については、後で詳しく説明します。

アルコール度数

シャンパンと呼ぶためにはアルコール度数が11%以上でなければなりません。11%未満はすべてスパークリングワインに分類されます。
ボトルやラベルに記載があるので確認してみてもいいかもしれません。

熟成期間

アルコール醗酵(一次醗酵)でベースとなるワインができあがると、発泡性を持たせるために瓶内二次醗酵方式が行われます。この2度目の醗酵期間に決まりがあります。ブドウの出来により期間の調整がありますが、最低でも15カ月以上の熟成が必要と決められています。

ほとんどのシャンパンはブドウの収穫年が限定されていない「ノンヴィンテージ」ですが、収穫年が限定されている「ヴィンテージシャンパーニュ」は最低3年間の熟成が必要です。その年ならではのブドウの味わいが感じられ、かつ熟成によって品質が高まるため長期熟成が可能で10年20年のヴィンテージシャンパーニュも存在します。

シャンパン以外のスパークリングワイン

前述したように、産地や造り方でいろんな呼び方が存在するスパークリングワイン、他にどのようなスパークリングワインがあるか一例をご紹介します。

国名 スパークリングワイン
フランス ヴァン・ムスー(Vin Mousseux)、クレマン(Cremant)
イタリア スプマンテ(Spumante)、フランチャコルタ(Franciacorta)
ドイツ シャウムヴァイン(Schaumwein)、ゼクト(Sekt)
スペイン エスプモーソ(Espumoso)、カヴァ(Cava)

スパークリングワインの造り方

スパークリングワインの造り方は5種類あります。それぞれをご説明していきます。

瓶内二次醗酵方式

瓶内二次醗酵方式とは搾汁後、最初のアルコール醗酵(一次醗酵)をタンクや樽で行い、瓶詰めした後2度目の醗酵を瓶内で行う製法をいいます。

さらにそこから瓶口に澱(オリ)と呼ばれる沈殿物を集め(動瓶:ルミュアージュ)、瓶先に集まった澱を取り除く作業(デゴルジュマン)を行います。現在は、少しずつ瓶を回したり傾けたりして自動で動瓶を行う機械がありますが、手動で行っていた時代には、職人が数カ月をかけてすべての瓶を動かしていました。

あわせて読みたい:ワインボトルの底にたまるオリ

瓶の中で2度目の醗酵を行うことで発生した二酸化炭素がワインに溶け込みきめ細やかな泡立ちが生まれます。
この方法はシャンパン方式もしくはトラディショナル方式と呼ばれ、この方法でないとシャンパンとは呼べません。製造方法の中でも一番手間と時間がかかることと、歴史的な銘醸地ということがあいまってシャンパンは通常のワインよりも割高になります。

シャルマ方式

シャルマ方式とは、大きな密閉タンクを使って二次醗酵させる製造方法です。密閉タンク方式とも呼ばれます。ワインを瓶の中で二次醗酵させるシャンパン方式に対し、大きなタンクを利用して製造するシャルマ方式は一回の作業で大量に生産することができます。

また、シャルマ方式はワインが空気に触れることがないため、ブドウ本来の香りが残りフルーティなスパークリングワインが造られます。効率的に量産でき、品質が高く、比較的安価で購入が可能なため、堅実的な製法といえます。

トランスファー方式

瓶内で二次醗酵させたワインを加圧したタンクに入れ、ワイン中の澱を除去してからボトルに詰める製法をトランスファー方式といいます。トラディショナル方式の澱と取り除く作業を簡略化したものといえます。工程を減らすことができるため、低コストでスパークリングワインを作ることが可能です。

炭酸ガス注入方式

炭酸ガス注入方式は、瓶詰したスティルワインに炭酸ガスを注入し、人工的にスパークリングワインを製造する方法です。機械の発達により省コスト・省工程で質の高い泡を造り出せるようになってきており、注目を集める方法です。

リュラル方式

リュラル方式は別名、田舎方式とも呼ばれます。一次醗酵の際にワインの糖分を残した状態で瓶詰めし、瓶内で続きの醗酵を行います。その際、糖を新たに追加せず、ブドウが持っている糖分だけで醗酵させ、炭酸を発生させます。そのためトラディショナル方式に比べてガス圧とアルコール度数が低めになる傾向があります。※産地によって差があります。

リュラル方式は主に温暖な地域で用いられるワインの製造方法です。暖かい地域で栽培されたブドウは、糖分を多く含んでいるため柔らかな味わいとなります。

おすすめのスパークリングワイン

最後にモトックスがおすすめするスパークリングワインをご紹介します。

安さ重視のスパークリングワインを選ぶなら


安いが人気!コスパ重視の『スパークリングワイン』おすすめランキング

高級スパークリングワインを選ぶなら


ソムリエ総勢64人が選んだ、本当においしい高級スパークリングワイン5選

手元にあるけど、正しい開け方がわからない…というかたはこちらをお見逃しなく!

あわせて読みたい:スパークリングワインの正しい開け方

シャンパンとスパークリングワインの違いについて、おわかりいただけましたでしょうか。スパークリングワインは製造方法や産地でたくさんの種類がありますので、ご自身のライフスタイルやお好みに合わせてお楽しみください!

一覧に戻る