モトックスが提案する、ワインのあるライフスタイル「もっと!ワイン」

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Chateau Mouton Rothschildシャトー・ムートン・ロートシルト

メドックで格上げがなされた唯一のシャトー

シャトーを所有してきたのはユダヤ系の大富豪、ロスチャイルド家

18世紀、シャトー・ムートン・ロートシルトの畑は、ラフィットやラトゥールと同じく、ニコラ・アレクサンドル・ド・セギュール侯爵の所有にありましたが、1853年から世界的にも有名なユダヤ系の大富豪、ロスチャイルド家のイギリスの分家に属する、ナタニエル・ド・ロスチルド男爵の所有となります。その2年後、メドック格付けが制定されるわけですが、ムートンはこの格付けで2級とされます。1級がとなれなかったのは、オーナーがフランス人で無かったから、という説もあり、ムートンは1級昇格をめざし地道にロビー活動を行ったと言われています。

 

1922年には、ナタニエル男爵の曾孫のフィリップ・ド・ロスシルド氏がシャトーを引き継ぎ、様々な功績を残しました。1924年には、完全にシャトーで瓶詰めを行うシステムに変更。この頃、まだまだ多くのシャトーが樽で出荷を行っていました。ワインの保管場所の為に、『グラン・シェ』(=樽を寝かせるセラー)を建設。また、1933年に小さなネゴシアンを買収し、ムートン・カデを中心としたワインの生産販売をするビジネスを展開していきます。そして、1933年にはムートン・バロンヌ・フィリップ(後にダルマイヤックと改名)を、1970年にはクレール・ミロンを購入しました。また、彼は1945年から毎年違う現代美術家の制作したオリジナル作品のラベルを採用する事にしました。そしてついに、長年の努力が実り、1973年シャトー・ムートン・ロートシルトはメドック格付け1級に昇格したのです。

 

1988年にフィリップ・ド・ロスチルド氏が亡くなります。娘であったフィリピーヌ・ド・ロスチルド男爵夫人は、当時舞台女優として活躍していましたが、父の後を継ぐ事となりました。1991年に辛口白ワイン、『エール・ダルジャン』の生産を始め、1993年にはセカンドワインである、『ル・プティ・ムートン・ド・ムートン・ロートシルト』の生産を始めました。様々なコラボレーションのワインも積極的に手がけ、1979年から始まっていたカリフォルニアの『オーパス・ワン』の地位を確立させ、1997年にはチリでコンチャ・イ・トロ社と『アルマビバ』、2003年には南フランスで『ドメーヌ・ド・バロナーク』の生産を始めました。夫人が2014年に80歳で亡くなった後は、彼女の3人の子供達がシャトーの経営を担っています。

 

ちなみに、シャトー名のムートンというのは『羊』という意味ですが、後半のロートシルトという部分は、『ロッチルド』『ロスシルド』とも発音されたりします(国によって主な呼ばれ方が違ったりするようです)。シャトーのHPでは、ワインの名前に『ロスチャイルド』という表記を使っていますが、日本では『ロートシルト』と呼ばれるのが多いように思います。

ミュージアムも備えられたシャトー

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伝統と近代技術が融合したワイン造り

90haの畑は標高27mの緩やかな斜面に位置しています。栽培されているブドウ品種はカベルネ・ソーヴィニヨン(80%)、メルロー(16%)、カベルネ・フラン(3%)そしてプティ・ヴェルド(1%)、平均樹齢は44年程度です。

 

収穫されたブドウは厳しい選果の後、重力を利用して発酵槽に入れられます。醗酵槽は基本木製のものですが、木製の44基以外にステンレスタンクの醗酵槽が20基あります。熟成はオーク樽にて20か月程。ワインの清澄は現在でも卵白を使って行われています。

 

※情報は2017年3月時のものです

 
シャトーのそばには実験的に様々なブドウ品種が植えられている

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毎年ラベルのデザインが替わる

ファーストラベルである、『シャトー・ムートン・ロートシルト』は、毎年ラベルの絵がかわるのが特徴的です。メドック格付けの中では、他にこのようなシャトーはありません。毎年冬頃になると、3年前のヴィンテージがリリースとなる(醸造・熟成に3年ほどかける)のですが、その際にラベルの絵も発表されます。毎ヴィンテージちょっとしたニュースになります。過去にはキース・へリング(1988)や、シャガール(1970)、ピカソ(1973)等の絵も採用されています。自分の生まれ年の絵を見てみると面白いです。ちなみに、ラベルの絵、もしくはデザインに選ばれたアーティストへの謝礼は、ムートンのワインで支払われる、と言われています。

http://www.chateau-mouton-rothschild.com/label-art/discover-the-artwork?lang=ja

 

『Aile d'Argent(エール・ダルジャン)』

ロスチルド夫人が1980年代の始めから植えはじめた白ブドウで、1991年ヴィンテージから造られました。栽培されているのはソーヴィニヨン・ブラン/ソーヴィニヨン・グリ(56%)、セミヨン(43%)、ミュスカデル(1%)。50%はオークの新樽で熟成されます。フィリップ・ド・ロスチルド氏が娘のフィリピーヌが小さい頃、彼女の為に作ったお話の主人公が『エール・ダルジャン(=銀の翼)』という名前の魔法のポットだった事から、この名前がつけられました。

 

『Le Petit Mouton de Mouton Rothschild(ル・プティ・ムートン・ド・ムートン・ロートシルト)』は、ムートン・ロートシルトのセカンドラベル。ファーストラベル区画の若木から採れたブドウを中心に造られます。ファーストヴィンテージは1993年ヴィンテージですが、その年は「le Second Vin de Mouton Rothschild(ル・スゴン・ヴァン・ド・ムートン・ロートシルト)』と呼ばれており、1994年から現在の名称となりました。ラベルはフランスのグラフィック・デザイナーのジャン・カルリュ氏のものですが、彼の作品は1924年ヴィンテージのファーストラベルのデザインにも採用されています。

 
※情報は2017年3月時のものです
『ムートン(=羊)』の名にちなみ、シャトーには羊のデザインがあちこちに使われている

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