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スペイン
スペイン アンダルシア

ボデガス・ヒメネス・スピノラ

Bodegas Ximenez-Spinola

極上のペドロ・ヒメネスだけに情熱を捧げるヘレス最小ボデガ

長い歴史を誇るヘレスで一番小さなボデガ

現在のボデガの設立は1919年ですが、1729年にはすでにスピノラ家の先祖フェリペ・アントニオ・サルサナ・スピノラ氏が輸出をした記録もある長い歴史を誇る家族経営の造り手です。現在のオーナー、ホセ・アントニオ氏で9代目。極甘口のペドロ・ヒメネスだけに特化した珍しいボデガで、品質最優先のポリシーは量を追求することを許しません。その為、年産一万本に満たないヘレス最小のボデガです。家族協議会と優秀なエノロゴによる品質委員会により、自ら課した厳しい基準に見合う「レベルの高いペドロ・ヒメネスだけをリリースする」というボデガの伝統は受け継がれています。

ボデガ内の様子 ボデガ内の様子

全ての情熱をペドロ・ヒメネスに注ぐ熱い人

現在の当主ホセ・アントニオ・サルサナ氏は子供の頃から祖父の仕事を身近に感じて育ち、ヘレス造りに大変な興味を抱いていました。しかし、父親は先行き不安定なこの仕事を継ぐより、弁護士になることを求めます。父親を説得することは大変難しかったものの、ワイナリーの仕事に情熱を感じていたホセ・アントニオ氏は、それならば・・・と、「弁護士の資格を取れば、将来は自由に決めてもよい」という約束を取り付けました。そしてロンドンに留学して勉強をするのですが、もともと希望に沿わないことであったため資格を取るまでには何年もかかりました。

 

晴れて資格を取得した後、故郷ヘレスへ戻り遂に夢の仕事への一歩を踏み出します。家業とはいえ憧れの仕事にたどり着くまでに紆余曲折があった為、ワイナリーの仕事はどんな些細なことでも一つ一つが楽しくて仕方がないと言います。そしてその想いはボデガで働く全ての人を幸せなものにします。ペドロ・ヒメネスにかける彼の情熱は従業員からも尊敬を集めています。

オーナー ホセ・アントニオ・サルサナ氏 オーナー ホセ・アントニオ・サルサナ氏

鍵となる“アルバリサ”

“アルバリサ”と呼ばれる土壌がシェリーの品質にとって最も重要な要素です。この土壌は極めて白く、硫酸カルシウム、粘土、珪土に富み、湿度を保ち冬場の雨を地中に蓄えることで、夏の乾燥に備える一方、フロールの形成を阻害する鉄分などのミネラルは少ないのが特徴です。

このアルバリサ土壌は、ヘレス・デ・ラ・フロンテラ、サンルカール・デ・バラメダ、エル・プエルト・デ・サンタ・マリアの黄金の三角地帯、さらにトレブヘナの一角にあり、“ヘレス・スペリオール”といわれる最上区画となっています。

青白く光を反射するアルバリサ土壌 青白く光を反射するアルバリサ土壌

100%手摘み!そして極甘口シェリーの為の天日干し

■極めてコストのかかる製法

収穫は例年9月上旬に行われます。強烈な暑さの下での収穫は大変な重労働になりますが、品質を重視するヒメネス・スピノラでは100%手摘みでの収穫を行います。

 

そしてさらにヒメネス・スピノラ社の品質を語る上で欠かせないのが、「100%天日干し」。極甘口シェリーを造るためには、収穫したブドウを圧搾にかけるまえに天日で干す作業があります。収穫と天日乾燥、さらに干しブドウを圧搾して天然の加糖を得る工程で出るロスは莫大な費用になるため、現在、ペドロ・ヒメネスの生産には、一部天日干し、または、あえて全く天日乾燥ブドウを使わないことが許可されています。

 

しかし、品質主義を貫くヒメネス・スピノラ社では、受け継がれたモットーを守るため、あえてコストのかかる方法をとっています。

 

■贅沢仕様

ワイナリーが圧搾する果汁は、1トンのブドウからわずか200リットルの果汁のみ。こうして得られた果汁は、他に類のない非常に芳醇なアロマが特徴です。

(※DO法では、1トンのブドウから搾れる果汁は最大700リットル)

エスパルトのござの上で天日干しをする様子 エスパルトのござの上で天日干しをする様子

一切の“調整”をしない稀有な「ペドロ・ヒメネス シェリー」

通常、味の均一化と安定を図るために行われている「補酸、酒精強化、冷却安定」。

これらの作業を、ヒメネス・スピノラ社では一切行っていません。

 

 

※酒精強化をしないため、このペドロ・ヒメネス シェリーは果実酒となります(酒精強化をした一般的なシェリーは甘味果実酒に分類されます)。

世界でも前例のない辛口白ワイン「エクセプショナル・ハーヴェスト」!

■”摘み残すしかなかった”極上の粒をセレクトして造る「世界にたった一つの白ワイン」

限られた生産設備で品質だけを追求するボデガス・ヒメネス・スピノラ社のペドロ・ヒメネス シェリーは、量を造ることを許しません。そのため畑にはペドロ・ヒメネス シェリーにはならなかった、しかし極上のブドウが収穫されることなく摘み残されます。ペドロ・ヒメネス シェリーの収穫から醸造を経た21日後、再び設備が空いてからようやく収穫されるこのブドウは結果的に”遅摘み”となり、類まれなアロマを放つ辛口白ワインとなります。他に例を見ない製法からこれまでテーブルワインに分類されていましたが、その希少性が認められ2013年ヴィンテージよりスペイン王室認定による「ビノ・バリエタル100%ペドロ・ヒメネス」というこのワインだけの呼称が与えられることになりました。

 

 

■現当主、ホセ・アントニオ・サルサナ氏のワイン

9代目の現当主ホセ・アントニオ・サルサナ氏がワイナリーを継いだとき、自分にできることは何かを考えました。1919年、現在のボデガが誕生したとき、ペドロ・ヒメネス シェリー造りの工程から、祖父はシェリーブランデーを、父はシェリービネガーを造りました。つねづね収穫後に畑に残ったブドウの素晴らしさを感じていたホセ・アントニオは、2010年、「これでシェリーではない、普通のスティルワインを造ったらどうなるんだろう?」と思いつきます。早速、醸造をしてみると、深い琥珀色に輝いたペドロ・ヒメネス シェリーのアロマを放つ、他に類を見ない白ワインが誕生したのです。

“遅摘み”のペドロ・ヒメネス “遅摘み”のペドロ・ヒメネス

全てのボトルにシリアルNo.を明記

ボデガには234の樽があります。最低15年熟成(シェリーの最低熟成期間は3年)ですが、今の蔵が建ったのが1919年なので一部その当時から残っているワインがあるかもしれません。 常に最高クラスのものをリリースする、というポリシーの下、生産は年間約8000本ほど。クオリティに対する自信の証しとして、全てのボトルにシリアル番号が明記されています。

シリアル番号はラベル下部に記載 シリアル番号はラベル下部に記載

V.O.S./V.O.R.S.の申請をしない

シェリー原産地呼称委員会が、平均熟成期間20年以上または30年以上と認められるアモンティリャード、オロロソ、パゴ・コルタド、ペドロ・ヒメネスに対し認証シールを発行する、熟成期間認定シェリーの証し、VOS/VORS。

ヒメネス・スピノラ社では、品質主義を守るため、社則として一切のコンクール、VOS/VORSに申請しない方針を貫いています。複数の樽のワインをブレンドし、最高のペドロ・ヒメネスを造りだす彼らにとって、こうしたことは品質への制約に他ならないのです。

 

世界のセレブリティが毎年の楽しみにするワイン

限定生産の為、誰に何本販売するかはリリースの前にほとんど決まっています。

ボデガの顧客リストの中には、スペイン王室はもとより、某国女王や大統領など誰もが知っている世界のセレブリティも多数見受けられます。