COLUMU コラム 『イタリアンの巨匠、片岡シェフが挑む!』 

イタリアンの巨匠、片岡シェフが挑む!

第1回 『セッサンタアンニ』とのマリアージュ料理

レストラン アルポルト 片岡シェフ

セッサンタアンニ~べルべットの舌触り

セッサンタアンニ
色調は漆黒を感じさせる赤紫。
樹齢60年の古木が存在するという畑が生みだす、濃縮されたかのようなフルボディ。
コンポートしたダークカーラントやキャラメル、コーヒーのニュアンスを感じさせる豊満な味わいが際立つ。

片岡シェフが作る蝦夷鹿を使ったジビエ料理とセッサンタアンニ

片岡シェフの料理の魅力は、旬の日本の食材を用いながら、懐石料理のように小さく美しく盛りつけた小皿料理で、様々な味わいをコースで楽しめる点である。その手法は『懐石イタリアン』とも呼ばれ、後進のシェフに多大な影響を与えたことは言うまでもない。
さて、今回は特別にセッサンタアンニに合う料理を作って頂いた。
お題は旬のジビエ、北海道の蝦夷鹿である。高たんぱくで脂肪分の少ない赤身の肉であるが、やや淡白な味わいでもあるので、どのように昇華させるかはシェフの調理や味付けに委ねられる。

蝦夷鹿と鴨・フォアグラのテリーヌ、リンゴのサラダ

ワインと料理のマリアージュ基本は、同調・協調である。
この料理はフォアグラの演出する滑らかでクリーミーな触感がセッサンタアンニの滑らかなタッチと見事に同調し、蝦夷鹿と鴨を和えたテリーヌの、噛み締めるような旨味が、やはり充実した果実味のこのワインと絶妙なハーモニーを演出している。
蝦夷鹿と鴨・フォアグラのテリーヌ、リンゴのサラダ

蝦夷鹿バラ肉の赤ワイン煮込み

色のマリアージュ、香りのマリアージュ、そして味わいのマリアージュへとたどり着く、至福の料理とワイン。
ソースの色調は、まさにこの漆黒色のワインとシンクロしている。
煮詰めた赤ワインソースの香りは、バルサミコやコンポートしたジャムを連想させ、やはり充実した黒果実のアロマと複雑に絡みあう。よく煮込まれた肉は豪快なポーションながら、ソフトな触感で、口の中でハラハラとほどけ、充実した旨味が一杯に広がった後、セッサンタアンニの流麗な液体がやさしく口蓋をリフレッシュさせる、まさに感動のマリアージュである。
蝦夷鹿バラ肉の赤ワイン煮込み

イタリアンの巨匠、片岡シェフ プロフィール

片岡護シェフ

片岡 護 シェフ

1968年
イタリア・ミラノへ渡航。総領事付コックに着任。ナヴィリオ地区にある魚介料理専門店「アルポルト」と出会う。
1974年
日本へ帰国、代官山「小川軒」、南麻布「リストランテ マリーエ」料理長を歴任。
1983年
港区西麻布に「リストランテ アルポルト」をオープン。女優・有馬稲子のコラムで絶賛され、その名が全国に知れ渡る。
2009年
超人シェフ倶楽部を発足し、副会長に就任。
2015年
日本政府より『現代の名工』受章。ミラノ万博において日本政府より日本館サポーターに任命され、「アクアパッツァ」の日髙良実氏、「ポンテベッキオ」の山根大助氏、ミラノ市内のリストランテ「ASOLA」のイタリア人シェフ、マッテオ・トレッタ氏の4 人でのプレゼンテーションは内外で大きな話題となった。
テレビ出演等メディアでの活躍多数、著書は40冊以上を数える。日本のイタリア料理界における名実ともに第一人者。
アルポルトの支店を日本各地に展開する。

リストランテ『アルポルト』http://www.alporto.jp/index.html

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